不動産買取価格の高い不動産会社を見つけるコツ

不動産を売却する際に、直接、不動産会社に物件を買い取ってもらう「不動産買取」を利用する方が増えてきています。
そこで今回は、「不動産買取価格の高い不動産会社を見つけるコツ」と題し、より高く買い取ってくれる不動産会社を探し出すためのノウハウについて考えてみたいと思います。

不動産会社によってかなり差がある不動産買取価格

不動産には、「不動産売却査定額」と「不動産買取査定額」という2つの査定価格が存在します。
よく似た言葉のため混同して使われる場合もありますが、その詳細は大きく異なります。
「不動産売却査定額」は、3カ月以内に買い手が見つかると思われる価格であり、現在の相場水準を表すものです。
売却依頼を獲得するための作戦として、意図的に高い売却査定額を提示する会社もありますが、本来はそれほど大きな差が出るものではありません。
一方、不動産会社が売主から物件を買い取る際に提示する「不動産買取査定額」は、不動産会社によって大きく異なります。
1~2割程度の差が出ることも珍しくないので、高く買い取ってくれる不動産会社を見つけることは、とても大切です。

不動産会社によって買取価格が異なる理由

不動産会社としては、実際に支払う金額を「買取価格」として提示するわけですから、基本的には低く抑えたいと考えています。
しかし、提示額が低すぎると他社に取られてしまうことになるため、利益を確保できるギリギリの水準を買取査定額として提示することになります。
この利益を確保できる水準が不動産会社によって異なるため、不動産買取価格に大きな差が生まれるのです。

ビジネスモデルの違い

リノベーションして再販売する

買い取った不動産については、リノベーションしてから再販することが多くなります。
再販する際の価格は、「買取価格+リノベーション費用+再販コスト+金利+利益」となるため、買取価格や必要コストが高すぎると利益を出すことができません。
不動産会社としては、買取価格や必要コストを抑えつつ、競合企業の動向を踏まえて、買取査定額を提示することになります。
見映えの良いリノベーションを低コストで行うノウハウを持つ会社は、他社よりも買取価格を高めに設定することができます。

別の不動産会社に転売する

買い取った物件をそのまま別の不動産会社に転売するという、卸業者のような役割を担う不動産会社も存在します。
転売先の会社は、リノベーションして一般向けに再販することが多いので、一般顧客に届くまでに、2社の利益が上乗せされることになります。
再販する際の価格は、相場水準を超えることが難しいため、結果として買取価格は低めになってしまいます。

社内体制の違い

社内にリノベーション施工部門を抱えている

不動産再販で成功するには、リノベーション工事のコストを引き下げることが重要です。
リノベーション工事を外注しているとコスト面での優位性を築くことは難しく、結果として買取価格を低く抑えざるを得ません。
社内にリノベーション施工部門を抱えていて、ある程度の工事数をこなしている会社は、工事コストを抑えることができるので、買取査定額も高くなる可能性があります。

社内に販売部門を抱えている

不動産再販を行う会社にとって、リノベーション工事のコストとともに、販売コストも大きな負担となります。
販売を外注に任せると仲介手数料を支払う必要があるため、直販体制を築いている不動産会社の方がコストを抑えることができます。
外注先に任せきりで販売ノウハウのない不動産会社は、買取価格で思い切った勝負をすることも難しいため、結果として買取査定額は低くなります。

不動産買取価格の高い不動産会社を見つけるコツ

不動産買取価格の高い不動産会社を見極めるためのキーワードは、「自社施工」「直販体制」「得意分野」です。
リノベーション工事を「自社施工」出来て、外注を使わない「直販体制」を構築できている不動産会社を選択することが重要ですが、もう一つ「得意分野」という点も見逃さないようにしてください。
例えば、賃借人が住んでいる「オーナーチェンジ物件」は、すぐにリノベーションして再販することが難しいため、一般的な不動産会社はかなり低い金額でないと買い取ることができません。
その一方で、資金力のある不動産会社の中には「オーナーチェンジ物件」を専門に取り扱うところがあります。
賃借人が出て行くまでは収益物件として手元に抱え、その後リノベーションして再販するという中長期的なビジネスモデルを構築できているため、「オーナーチェンジ物件」についてもある程度の水準で買い取ってくれます。
得意分野、得意エリアは、担当者によっても異なりますので、できるだけ多くの不動産会社・担当者に買取査定を依頼することをお勧めします。

まとめ

最近では、インターネット上の「不動産買取一括査定」といったサービスも出てきていますので、それを利用して大手不動産会社を比較することができるようになりました。
しかしながら、買取査定価格の高い不動産会社が、その中に存在しないケースも少なくありません。
名前を知っている大手だからといって、買取査定価格が高いとは限らないのです。
「自社施工」「直販体制」「得意分野」というキーワードで不動産会社を選別し、複数の買取査定額を比較することが成功のカギといえるでしょう。

投稿者プロフィール

服部 里佳子
服部 里佳子
株式会社リファインド
宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー
本音で、親身に、お客様の目線に立ってお部屋探しをお手伝い致します! 各種ご相談・ご質問だけでも まずは服部にお気軽にご相談下さい。

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